筆者はこれまでChromebookというものを手にしたことがありませんでした。厳密には親のChromebookを多少触ったのですが、そのくらい。
ガジェット好きでありながらChromebookを持ってないのは如何なものか。ということで、Chromebookの購入を決意しました。実はタブレットもFireHD程度しか持っていなかったので、タブレットを兼ねたものという位置づけでの導入です。
具体的な用途としては、外出先での写真編集等を伴わないただの文書作成(当サイトの投稿も含め)や、釣りの際に車へ持ち込み、時合い待ちなどの暇つぶしに、といった感じです。
結論から申し上げますと、ASUS Chromebook CM30 Detachableを購入しました。購入に至った経緯を、こちらで紹介します。
端末の選定
- タブレットを兼ねた用途であるため、2in1であることは必須。コンバーチブルタイプでなくセパレートタイプが理想。
- 2コアのCeleronは避けたい(armアーキテクチャのSnapdragonやMediatekがどの程度の性能なのかよく分かりませんが、Celeronには抵抗があるので)
- なるべく軽量
- RAM8GB
以上の条件を満たす端末を価格ドットコムにて検索しました。
すると、少なくとも価格ドットコムに表示される端末としては、ASUS Chromebook CM30 Detachableと、Lenovo IdeaPad Duet 560 Chromebookしかヒットしませんでした。(RAM8GB、セパレートタイプの時点でここまで絞れました。)
セパレートタイプのチェックを外す(コンバーチブルタイプを含める)と、ASUS Chromebook CM14 Flipや、HP Chromebook x360 14bも候補には入ります。ですので一応この2台も含めた4台を比較していきましょう。
一覧表でスペックを比較
ASUS CM30 | IdeaPad Duet 560 | ASUS CM14 | HP X360 14b | |
CPU | MediaTek Kompanio 520 | Snapdragon 7c Gen 2 | MediaTek Kompanio 520 | Intel N200 |
CPUスコア(PassMark) | 3593 | 3837 | 3593 | 5177 |
RAM | 8GB | 8GB | 8GB | 8GB |
ROM | 128GB | 256GB | 64GB | 128GB(UFS) |
画面サイズ | 10.5 | 13.3 | 14 | 14 |
アスペクト | 16:10 | 16:9 | 16:9 | 16:9 |
インターフェース | USB type-C ×1 | USB type-C ×2 | USB type-A×1/type-C×2 | USB type-A×1/type-C×2/microSD |
重量 | 0.988kg | 1.2kg | 1.56kg | 1.5kg |
その他 | 有機EL | DDR5メモリ |
まず、同じASUS同士で比較していきましょう。CM30とCM14のCPU、RAMは同一。ROM容量が異なりますが、中身はほぼ同じと考えて良いでしょう。違いは当然大きさ。CM30は10インチ台のタブレットタイプであるのに対し、CM14は14インチの本格的なノートPCサイズ。メインPCとして使うのであれば14インチのCM14を買うべきですが、私の用途としては明らかにCM14は不要。同じ14インチでもっと軽量なメインのノートPCはありますから。
HP X360はCM14とあまり変わらない価格でありながら、N200を搭載し、eMMCではなくUFSを採用。更にDDR5メモリを採用していますので、よりメインのPCとしての適性が高いでしょう。ただしAndroidアプリの動作という面では、必ずしもN200が良いとは言えないかと思われます。それに、ライバル豊富なレンジですから、この機種がほしいと思った人はよく吟味すべきだと思います。(ASUSのChromebook Plusあたりも視野に入ってきます。)
するとやはりIdeaPad Duetと、ASUS CM30の2つに絞られました。
IdeaPad Duet 560 と ASUS CM30を徹底比較
ASUS CM30 | IdeaPad Duet 560 | |
CPU | MediaTek Kompanio 520 | Snapdragon 7c Gen 2 |
CPUスコア(PassMark) | 3593 | 3837 |
RAM | 8GB | 8GB |
ROM | 128GB | 256GB |
画面サイズ | 10.5 | 13.3 |
アスペクト | 16:10 | 16:9 |
インターフェース | USB type-C ×1 | USB type-C×2 |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax(Wi-Fi 6) | IEEE 802.11ac/a/b/g/n |
重量 | 0.988kg | 1.2kg |
タブレット単体での重量 | 609g | 700g |
バッテリー駆動時間 | 12時間 | 15.5時間 |
その他 | 有機EL |
処理性能
処理性能から比較すると、CPUスコアは同程度、RAM容量も変わらず、ほとんど違いは無いでしょう。
但しIdeaPadの場合、ROMが256GBですので、Androidアプリを沢山入れて使いたい方、ファイルをオフラインで大量に保管しておきたい方にはいいかもしれません。これはあくまで私の感覚ですが、Chromebookはスマートフォンと同じくらいの容量があれば十分かなと考えています。お使いのスマートフォンの容量が128GBなら、Chromebookも同じ128GBで十分でしょう。
画面、携帯性
画面サイズは異なり、ASUS CM30が10.5インチなのに対し、IdeaPadは13.3インチです。ここはそれぞれのニーズにより変わりますので、どちらが優れているということはありませんが、私の場合はタブレット的な使い方~簡単な作業くらいですので、13.3インチの操作性よりも、10.5インチの持ち運びやすさを重視しました。但し重量に着目すると、ASUS CM30は10.5インチの割には重い気もします。価格ドットコムで10~11インチのタブレットを検索し、重量が重い順に並び変えると、6ページあるうち1ページ目に位置します。
また、IdeaPadのディスプレイは有機ELであることも特筆すべき点です。
バッテリー駆動時間はIdeaPadの圧勝。勿論メーカーによって公称値と実測値の差に違いがあったりはしますが、この差なら明らかにIdeaPadの方が勝っているでしょう。ちなみに充電時間も共通で2.5時間となっています。
インターフェース
インターフェースは、両者ともにUSB-Cですが、ASUS CM30は1つのみであるのに対し、IdeaPadは2つ。このUSB-Cポートは充電を兼ねていますので、CM30の場合ハブ等を使わないと、充電をしながらUSBポートを使うことが出来ません。
一方、無線LANについては、ASUS CM30のみがWi-Fi6に対応しています。これについては後発のASUS CM30が有利です。
これらを踏まえて…
私のニーズはタブレットライクなChromebookですので、やはりより携帯性に優れたASUS CM30を選択。
1kgを超えるか超えないかは個人的には1つのラインでした。また、購入当時はASUS CM30の方が1万程度安く、お財布事情としてもこちらを選択。Chromebookにはそこまでお金をかけたくないですからね。
なお、私はAmazonで注文しました。ASUSストアでは割高ですし、Amazonで購入しても1年間の保証は付きます。(3年保証が必要な方も後からASUS Storeで購入可能です。)また、Amazonならポイントも付きますし、注文後すぐに到着します。
Chromebookを検索していて思ったこと
まず思ったことが、選択肢が少ないこと。執筆時現在、メーカーとしては、Lenovo、ASUS、HP、Acerくらいしか選択肢が無いのです。WindowsであればDELLやVAIOや、メーカーだけでも倍以上はありますし、機種の数であれば10倍以上あるでしょう(それだけ選びにくいとも言いますが)
次に、RAM4GBが非常に多い点。RAM容量の大きさは心の余裕とよく言います(笑)。
いくら動作の軽いChromebookでも、RAMは8GB無いと不安なのは私だけでしょうか。実際、RAMが8GBだったら買ったのに…という機種はあります。(IdeaPad Duet 370等)
また、上位機種ですとWindowsが買えてしまいます。一例として、比較にも挙げたHPのx360 14bは、HP直販で¥64,800。この価格ですと、LenovoのIdeaPad Slim 3 Gen8(Ryzen5 7530U,RAM16GB)等が買えてしまいます。勿論タッチパネルの有無等の差はありますが、私はChromebookにここまで出そうと思いません。
やはりメーカーが少ないことが何よりの欠点であると思います。VAIOであれば軽量高品質であったり、Lenovoであれば低価格高性能であったりと、それぞれのメーカーが特色を出し、競争を繰り広げることが必要かと思います。Windowsではそれが成り立っているのですが、Chromebookは残念ながらそうはなっていないのが現状です。
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